再生医療支援機構

皮膚科分野

「皮膚再生」

愛媛大学医学部皮膚科
講師 白方裕司先生

 重症熱傷患者や糖尿病性下肢潰瘍など慢性的な皮膚欠損患者のために、培養皮膚を作成することは人類の夢であります。培養皮膚は文字通り体外で培養した皮膚の細胞を用いて人工的に皮膚を作成するもので、25年以上も前から臨床応用されました。
 当初開発された培養皮膚は、角化細胞のみを重層化したもので培養表皮シートと呼ばれています。その後、真皮の成分を作った上に角化細胞を培養し重層化させる三次元皮膚が開発されました。三次元皮膚は正常皮膚に近いのですが、表皮と真皮の結合がそれほど強くないために生着が今ひとつでありました。

 私たちは真皮と表皮の間に羊膜をサンドイッチすることでこの問題を解決し、非常に強固な三次元皮膚を作成することができています。また、羊膜は瘢痕形成を抑制する作用があるといわれていまして、実際に羊膜付き三次元皮膚を移植した患者様では瘢痕形成が押さえられていることがわかりました。

 羊膜上では、角化細胞の増殖が良好で、かつ、細胞の遊走能力も優れておりました。これらの結果より、人工真皮移植と羊膜移植を組み合わせた羊膜付き三次元皮膚は、皮下組織にまでいたる広範囲の皮膚欠損に対して、整容的にも優れた治療法 になることが判明しました。

 現時点において、羊膜付き三次元皮膚はもっとも正常皮膚に近い人工皮膚であるといえるでしょう。

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